研究について

神経内科、血液内科、膠原病内科それぞれの研究内容の紹介です。

神経内科

脳血管障害研究

脳ドック、脳検診、脳血管障害患者を対象として無症候性脳梗塞の意義、成因、予後、再発予防、認知機能との関連などに関する研究を行っている。脳血管障害急性期の脳循環自動調節能および自律神経機能変化を近赤外線計測法により観察し、血圧コントロールとの関連について検討している。また脳血管障害後のうつ状態やapathyなどの情動障害の病態解明に取り組んでいる。赤外線電子瞳孔径を用いて感情の定量評価も取り入れている。病理学並河教授と共同で、危険因子の遺伝子多型の研究を行っている。

(Chowdhury et al., 2011, J Stroke Cerebrovasc Dis)


高次脳機能研究

高次脳機能心理検査、事象関連電位、SPECTによる脳血流測定などを用いて脳血管障害、無症候性脳梗塞、各種の痴呆性および変性疾患における認知機能障害の検討を行っている。また高解像度脳波計測と機能的MRIを用いた非侵襲的脳機能局在研究手法と認知心理学的パラダイムを用いて、視覚注意の神経機構や前頭葉機能の研究に取り組んでいる。

(Onoda et al., 2010, Neuroreport)


神経再生医学研究

脳梗塞ラットモデルを用いてヒト由来不死化神経幹細胞株・骨髄間葉系幹細胞株・ミクログリア細胞株移植の効果について、病理学的・分子生物学的検討を行っている。また、神経変性疾患・筋疾患の機序についても研究を行っている。

(Narantuya et al., 2010, PLoS One)


アミロイド・遺伝子研究

cystatin C沈着型cerebral amyloid angiopathy(CAA)の髄液診断法開発、遺伝子検索ならびにcystatin C沈着機序に関連するmacrophage機能の解明を行っている。さらに髄液cystatin C値をそれ以外の神経疾患の診断に応用している。遺伝性神経疾患の遺伝子異常の検索も行っている。

(Sheikh et al., 2011, Neurobiol Dis.)

血液内科

ヒト白血病細胞の増殖・分化・細胞死の分子学的制御機構の解明

白血病細胞に分化や細胞死を誘導する生理活性物質としてTNF-αやIFN-αを用い、その活性発現機構について、因子・受容体の結合から細胞内情報伝達機構、がん遺伝子の発現制御という観点から解析してきた。最近では白血病細胞に分化や細胞死を誘導する新規物質のスクリーニングやその作用機序の解明を行っている。

研究について

自己免疫関連血球貪食症候群の発症機序と病態生理に関する研究

血球貪食症候群は,ウイルス感染症や悪性リンパ腫などに伴い発症することが知られているが,近年我々は,自己免疫疾患にも伴い生じうることを報告し,自己免疫関連血球貪食症候群autoimmune-associated hemophagocytic syndrome(AAHS)という疾患概念を提唱した。最近ではすでに独立した疾患概念として認知されているが、本症候群の発症機序と病態生理は不明な点も多く,これらの点に関して研究を行っている。


造血幹細胞の維持、増殖、分化制御機構解明のためのヒト骨髄間質細胞株の樹立と解析

造血幹細胞と造血支持微小環境であるniche構成細胞との相互作用やその分子基盤を明らかにするために、in vitroでniche機能を再現しうる安定した骨髄間質細胞系列の培養系確立と、それを利用した造血幹細胞の増幅の可能性を探っている。

膠原病内科

特発性炎症性筋疾患の病態形成機序

現在、主研究の一つとして特発性炎症性筋疾患(多発性筋炎、皮膚筋炎)の研究を行っている。病態形成機序を解明するため、生検筋組織を用い、浸潤単核細胞と筋細胞の相互作用、また浸潤細胞による筋傷害の機序を接着分子、およびFas-FasLによるアポトーシスの観点から研究している。さらに、骨格筋培養細胞を用い生検組織で認められた事象を証明し、細胞内分子やサイトカインの役割を明らかにしている。

(Kondo et al., 2009, Immunology)

BAFF
BAFF (B cell-activating factor of the tumor necrosis factor family)の炎症性筋疾患を含めた自己免疫疾患へのかかわり、および治療応用への可能性を研究している。