講座紹介
Course introduction

講座の沿革

沿革

初代 恒松徳五郎教授(血液・免疫学) 1980-1992年

 本教室は島根医科大学開学に伴って医学部の内科学講座第三として開設された。当初は教授、助教授、講師、助手4名のわずか7名での出発であった。教授の専門分野は血液・免疫学であり、SLEなどの自己免疫疾患、白血病などの血液疾患、腎疾患を中心とした臨床研究が行われた。SLEの病態機序解明、溶血性貧血の病態生理が中心的テーマであった。また、島根難病研究所と共同で隠岐島などにおける10年間に渡る地域検診を行い,疫学的研究を行った。神経内科部門も講師と助手の2名でスタートし、脳卒中から末梢神経・筋疾患まで多彩な神経疾患を診療すると共に、島根難病研究所において脳卒中の脳循環に関する研究、脳の老化に関する縦断的研究を開始した。これらが現在の教室研究の出発点となった。1990年に坂根助教授が聖マリアンナ大学医学部教授として赴任した。

2代 小林祥泰教授(神経内科) 1993年-2005年

 恒松徳五郎教授の後、小林祥泰が教授となり、神経・血液・膠原病内科学教室として診療や研究を発展させてきた。 神経内科では脳卒中の診療に力を入れており、2002年に小林祥泰教授が中心となって脳卒中基幹病院を中心に脳卒中データバンク(Japanese Standard Stroke Registry Study:JSSRS) が日本脳卒中協会の中に設立され、日本の脳卒中の現状について大規模でかつ詳細なデータが集積され、現在も進行している。また「脳卒中治療ガイドライン2004」作成の一部を担当し、全国でも脳卒中診療の中心としての役割を果たしている。
 血液内科では、白血病、悪性リンパ腫を主体とする血液疾患全般を対象とした専門医療を行っており、島根県の血液疾患の中心的役割を果たすとともに、当院に設立されている腫瘍内科の中心的存在を担っている。
 膠原病内科では膠原病、リウマチ性疾患、血管炎症候群などの専門医療を行い、特に難治例での診療に力を入れることで、島根県の膠原病診療の中心となっている。
 2005年4月に小林祥泰教授は島根大学医学部附属病院長に就任し、教授を退任した。

3代 山口修平教授(脳神経内科) 2006年-2019年

 2006年1月より小林祥泰教授の後をうけ山口修平が教授に就任し、神経・血液・膠原病内科学教室の運営をスタートした。2006年4月からは附属病院診療科再編に伴い、内科学第三講座としてとして引き続き研究および学生教育を継続し、診療科としては脳神経内科、血液内科、膠原病内科としてそれぞれ診療にあたった。

 研究面では脳ドック研究を継続発展させ、20年以上にわたるフォローアップデータを、ライフスタイル、脳神経画像あるいは遺伝子レベルから解析し、脳卒中、認知症の予知予防に新たな視点を発信してきた。また、事象関連電位や機能的MRIを用いた非侵襲的脳機能測定による高次脳機能の基礎的研究を進展させ、特にアパシーに関してはその神経基盤に関して重要な知見を見いだした。そして臨床面では、脳卒中やパーキンソン病における運動や認知障害の機能回復の研究を進展させ、認知症については脳画像のAI解析によりその発症予測を可能とするアルゴリズムを見いだし、認知症診療に貢献した。
 2019年4月に山口修平教授は島根県病院事業管理者に就任し、教授を退任した。

4代 長井篤教授(脳神経内科) 2019年-現在

 2019年9月より山口修平教授の後をうけ長井篤が教授に就任した。