患者さんへ
Patient

膠原病内科の詳細

膠原病内科では、表1にしめすような膠原病および類似疾患を診療の対象としています。幾つかの疾患では、難病指定されており、医療費の補助を受けることができます(特定疾患受給者証)が、この受給者症は重症度が高い患者さんや医療費がかかる患者さんが対象となります。医療サービス課の窓口(病院総合受付8番)あるいは担当医師にご相談ください。

また、医療サービス課では、難病総合医療センターの相談窓口も兼ねています。ハローワークや島根県難病支援センターとも連携していますので、医療のことばかりでなく生活や就労など様々なことについてご相談ください。

(表1)対象とする疾患
※赤字は指定難病(症状の重い方 医療費額の高い方が対象)
関節リウマチ
悪性関節リウマチ
強直性脊椎炎
反応性関節炎
乾癬・クローン病潰瘍性大腸炎に伴う脊椎関節炎など
全身性エリテマトーデス
多発性筋炎/皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎症候群(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
ベーチェット病
サルコイドーシス
IgG4関連疾患
再発性多発軟骨炎
原発性抗リン脂質抗体症候群

外来診療

外来診療は、原則予約制です。初診の方も医療機関より当院の地域医療連携センターに連絡をしていただき予約した上で紹介状をお持ちいただきます。病状が急性重症の場合は、医療機関より電話で連絡をとっていただいています。膠原病疾患では、症状や治療の経過が今後の治療にとても重要ですので、紹介状が重要です。
当科の外来診療は、リウマチ学会の認定する専門医の資格をもった医師が当たっており、各々の患者様に最善の治療を受けていただける体制となっております。また、状況に応じて地域のかかりつけの医師と連携をとりながら、専門医としてのアドバイスをさせていただく方式もとっています。
セカンド・オピニオン外来も行っていますのでその際にも地域医療連携センターに連絡してください。
また、他院へのセカンド・オピニオンを希望される方も遠慮なくお申し出ください。
また、2020年度より、担当医が必要と思われる方に難病総合治療センターの事業として薬剤師による外来薬剤指導も行ってまいります。

入院診療

当科が扱う疾患のうち、外来にては治療困難な例や、関節リウマチに対する点滴による生物学的製剤の導入、寛解(病状の安定している状態)を維持するための特殊な治療法については入院による治療を行っております。担当主治医以外に診療科長あるいは副科長が定期的に回診を行い、膠原病内科全体でカンファレンスを行い治療の決定や問題点の解決に努めています。また、他の科や診療部とも連携を行い、総合的な治療に勤めてまいります。

市民講座

今まで年1−2回“関節リウマチ患者さんと家族のための勉強会”を開催しています。今後も、開催してまいります。このホームページや” こうげんびょう内科”のFacebook, チラシなどでご案内しますので、是非お越しください。“炎症性腸疾患、膠原病、リウマチ性疾患の若い患者さんと家族の方へ:病気と薬と妊娠・授乳”という市民講座も過去2回開催しています。他の市民講座も開催することがあれば、ホームページにてご案内します。

生活上の注意

多くの膠原病疾患では病気が良くなっても治癒という言い方をせず、“寛解(かんかい)”という言い方をします。一度よくなっても再燃(病気が再び悪くなること)する可能性があります。病気と付き合うつもりで、治療を継続してまいりましょう。また、病状が良くなったと思っても、自分の判断で勝手に治療を中止しないことが重要です。

禁煙

関節リウマチでは喫煙が発病に関連していることが科学的に証明されています。また、喫煙している人の方が、薬の治療効果が低下していることも報告されています。

他の病気でも、喫煙は動脈硬化と関係していますので、手足の血流を悪くする作用があったり、血管自体に病気がおこっている膠原病疾患の症状の悪化に作用したりします。また、各膠原病疾患で肺に病変がおこる患者さんでは、とくに肺の機能の悪化に関係します。タバコを吸わないこと!!がとても重要です。

感染症

膠原病疾患では異常な免疫(自己免疫)が働いていますのでそれを抑える治療をします。しかし、感染症に対する正常な免疫反応も抑えられてしまうことがあります。うがい、手洗いを頻回に念入りに行い、体や衣服を清潔に保つことも重要です。

<インフルエンザの予防接種>
毎年受けましょう

<肺炎球菌ワクチン>
65歳以上で5年毎に受けましょう

<帯状疱疹にも注意>
皮膚に痛みやしびれのある赤い皮疹や水疱ができたら早くに医療機関に行きましょう。早い治療が必要です。かかりつけ医をもちましょう。近所ですぐ診てもらえる医院/診療所(かかりつけ医)をもつようにしましょう。当科の近藤医師が浜田医療センターの関節リウマチの患者さんで調べたところ、かかりつけ医と連携治療をしている患者さんの方が、重篤な感染症で入院する患者さんの割合が少ないという結果がでました。

食事/栄養

糖尿病、コレステロールや中性脂肪の高い方、血圧が高い方、腎機能が低下している方はそれぞれの食事療法を守る必要があります。そうでない方も炎症性疾患ではバランス良い食事をとるように心がけましょう。とくに光線過敏症など紫外線に関する注意をうけていない方は、日光にあたることも骨粗鬆症を予防する上で重要です。

病気のことが知りたい方の公的なWeb Site、あるいは県内の関係機関を紹介しますので参考にしてください(表2)(表3)